特徴のあるインプラントです
ふつうの細胞には母親側からきた染色体セットと、父親側からきた染色体セットの2組が含まれている。
そして母親側の染色体は、″母親の母親″と″母親の父親″から譲られたものであり、父親側の染色体は″父親の母親″と″父親の父親″からもらったものである。
こう考えてみると、どのゲノムも先祖から次々とバトンタッチされて伝わってきたもので、その構造は変わらないと思ってしまう。
ところが実際には、1つのゲノムや1本の染色体が、構造を崩さずに次世代に伝わるわけではない。
染色体同士のあいだには、染色体の一部を交換し合う染色体組み換えという現象があって、1つの卵子や精子に入るゲノムの内容はつねに変わってくる。
そこで先の例でいうなら、瞳の色、髪の色、髪の形、という3つの特徴がそろって伝わらずに、色や形の性質が入れ換わって伝わる場合がある。
つまり、もとは同じ染色体に乗っていた2種類の遺伝子が、染色体組み換えによって別々の卵子や精子に入るケースも珍しくない。
そして、2つが染色体上で離れているほど途中で切れ目が入りやすいため、バラバラになる確率は高いことになる。
両者の距離が長いほど入れ換わってしまう可能性が高いわけだ。
このような作業の繰り返しによって、ある染色体の上で主な遺伝子がどんな順序で並んでいるかを示す遺伝的地図が作られていく。
96年3月になって、フランスの国立科学研究センターが「遺伝子地図を完成させた」と発表した。
染色体全体を約5千個の遺伝子やDNA群で目印づけをしたというのである。
続いて必要なのが、「物理地図」と呼ばれるものである。
ジャングル探査の例で続けるならば、ある程度まで広い範囲にわたって目印地図ができたら、今度は各目印のあいだの具体的な距離が知りたい。
実際にメジャーで測って物理地図が作られれば、詳細地図の完成まであと一歩というこのように考えてくると、″髪の色を決定する遺伝子″と″髪の形を決定する遺伝子″との距離は短く、″髪の色遺伝子と瞳の色遺伝子の距離″そして″髪の形遺伝子と瞳の色遺伝子の距離″のほうが遠いことがわかるだろう(お断わりしておくが、以上の遺伝子に関しては、あくまでたとえ話である)。
遺伝子の世界ではDNA断片の長さを表すとき、「ベース」と呼ばれる塩基の数によって、遺伝子と遺伝子間の距離や、遺伝子そのものの長さを表わす。
たとえば、性染色体のX染色体は1億5千万個の塩基が連なるチェーンなので、全長が百50メガベース(1メガベースは百万塩基)あると表現する。
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